COLUMNインテリアと暮らしのコラム

手洗いの歴史は約1700年前から

2022/07/29

手洗いの歴史は約1700年前から

「外から帰ったらまず手を洗う」「外出時はマスクをする」——今は世界中の多くの人たちがこうした生活習慣を実践しています。
コロナ禍で、手洗いやうがいの習慣が定着した感はありますが、そもそも、手洗いっていつから始まったのでしょうか?

日本の手洗いの歴史:手洗い習慣を作った古の天皇

日本の手洗いの歴史:手洗い習慣を作った古の天皇

手洗いやうがいの歴史は、約1700年ほど前からあるらしいのです。

 

古(いにしえ)の時代において、人が集まるところは「神社」でした。神社にお参りするときに、くちをゆすぎ、手を洗い、身を清めることは、誰もが体験したことがあることだと思います。ただ、さらに昔には、近くの川でからだを清めてから参拝するのが、一般的だったようです。これは禊(みそぎ)と言い、白装束で水浴して、身心の罪や穢れを水で洗い清めるといったことがされていたようです。

 

その習慣が変わったのは、日本で最初に疫病がはやった頃(3世紀中ごろ~4世紀:古墳時代)だと言われています。当時の天皇が、神社に手水舎(ちょうずや、てみずや)を作り、手洗いや口をゆすぐことを推奨しました。疫病のため、人口の半分が命を落としたことが「日本書紀」に書かれています。その頃から神社での手洗いの習慣が広まり、次第に食前やトイレの後などにも、手洗いをするようになったと言われています。

 

3世紀に始まり現代に伝わる手水(ちょうず)は、水道が普及するまでは比較的富裕な庶民の暮らしの中にもとり入れられていました。明治から大正にかけて多数出版された礼儀や作法のマニュアル本の中には、手水を使った日常の手洗いや、客人に手水を進める際の作法が詳しく解説されているようです。

 

ただ、日本で手洗い習慣が、本当に一般化したのは、戦後になってからのことです。学校教育で手洗いを励行される以前は、赤痢などの感染症が多かったといわれています。やはり、学校教育と水道の普及がなければ、これほど、一般的な習慣にならなかったのかもしれません。

世界の手洗いの歴史:「手洗いの父」「消毒の父」ゼンメルワイス

世界の手洗いの歴史:「手洗いの父」「消毒の父」ゼンメルワイス

世界的に手洗いが一般化するのは近代以降です。

 

ゼンメルワイス(Ignaz Philipp Semmelweis、1818.7.1生〜1865.8.13没)というハンガリー出身の医師が「公衆衛生」という考え方を発見しました。ただ、彼の考え方は、彼が研究を行っていたウィーンの医学界からは全面的に否定されていたようです。

 

当時、病気は、体の中の「基礎体液」のバランスが崩れることによって起こると信じられていたのです。仮にゼンメルワイスの発見が真実で、彼のアドバイスにあるように、患者を診断する前に毎回手を洗うことは、面倒過ぎると反論されました。また医師たちも自分たちが多くの死を引き起こしていることを認めようとしませんでした。それどころか彼らは、自分たちの職業はきわめて神聖であり、したがって手が汚れているということはあり得ないと主張していたのです。

 

その後、ゼンメルワイスはハンガリーに戻り、自分の専門分野である産婦人科の分野で、手と医療器具を洗浄するという彼の消毒法によって、彼の病院の死亡率を大幅に下げることに成功しました。その後も、医学界からの反発を受けていましたが、19世紀後半になってようやく手洗い消毒が医療現場に普及しました。それまでは医師ですら手洗い習慣がなかったのです。このゼンメルワイスのケースは、権威主義的な学界により科学の発展が遅れた例として、現在も引用されています。

 

今では、ゼンメルワイスは、「手洗いの父」「消毒の父」などと呼ばれています。

家に帰ったら真っ先に、手洗い・うがい・消毒を

家に帰ったら真っ先に、手洗い・うがい・消毒を

 

やっぱり、手洗いとうがいは、最善の感染症対策ですね。

 

外出先から帰ってきたら、必ず真っ先に手洗い・うがいができれば、それに越したことはありません。お子さんがいる家庭でも「帰ったらすぐ手洗い・うがい」を習慣づけさせたいものです。帰ってきたら、玄関でまず手洗いを。リビングにウィルスを持ち込まない大切な習慣です。

 

今回は、家庭内のいろいろな場所におけるコンパクトなウォッシュキャビネットをご紹介します。

 

奥行250㎜タイプに間口600㎜サイズなどもあり、玄関の少しのスペースにも設置可能です。いずれのタイプも洗面下に扉や引き出しがあり、消毒液やうがい薬をストックしておけます。帰ってきて、玄関から洗面所まで移動している間にノブや手すりなど、他の場所を触ってしまっては、室内に汚れを広げてしまい逆効果になってしまいます。このコンパクトウォッシュキャビネットを玄関に置けば、室内にウィルスを持ち込まない・持ち込ませないよう、玄関で手洗い・消毒を済ませることができます。寝室におけば、奥様のメイクやフェイスケアもプライベートなところでゆっくりできますね。ご主人の朝の身支度も効率的になるかもしれません。

 

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